とても良かった。犯人が主人公というパターンと思わせておくミスリードとその要素が別の意味として立ち上がってくるところはミステリって感じで面白かった
最初の部屋の爆発やロッカーに書かれた数字が最後の方につながるのはすげー!おもしれー!って素直に思った
運送ドライバーの「俺たちがいなきゃまわらないっていったって誰も俺らのことなんか見てない」みたいな台詞がそのまま山崎さんが飛び降りても誰も顧みなかったことにつながってるよな
五十嵐の「俺に何ができたっていうんだ」にたいしてのエレナの「そういってだれもやらなかった」←とても良い 一人じゃ大きなものには立ち向かえないから五十嵐みたいな思考になってしまうのもとてもわかるけど、それじゃだれかが苦しんでいる現状を変えられないから一人でもいいから行動する必要があるんだよな その積み重ねがいつかその人(や続く人)を助けられるかもしれないから 後ここって「一人じゃなにもできない」って思っている五十嵐と「せーのでやめよう」っていってみんなでストライキをおこしたエレナとの対比でもある?
「お客様のため」という大義名分が労働者を抑圧しているみたいな話をしているとき、「お客さんが望んでいるから」が差し挟まることで、企業だけでなく消費者の欲望もまた労働者を抑圧する要因になってるって示してるようにみえて良かった 企業に欲望させられているのと同時に消費者も自分の欲望を安価で叶えるほうにいってしまうよな あとここ、全部欲しいって言っていたエレナと欲しい物は特にないって言っていた梨本の話とつながると思うけどうまく言えない
エレナは最初、休職に追い込まれていたからこそ、損失が出ないように何が何でも止めなかったのが羊急便と一緒に止めたところの変化すっごい良かったんだけど、どのあたりからその変化が生まれたのかあんまりわかってなかったから次もし観るならそこに注目したい
ロッカーの数字もいうて意味が分かってない 0を勝手に物流の正常の値を示すやつだと思ってて山崎はそれを0にしたかった(=物流を止めたかった)けど、飛び降りても止まることはなかったから「馬鹿なことをした」って言ったんじゃないかと思った でもちゃんとエレナは止めたんだよ
エレナ(休職、犯行予告を確認するための捨て駒)も梨本(前職場の業務過多)も山崎も八木(デイリーファストの要求を呑むしかない)も羊急便の二人(低賃金)も、仕事できつい思いをしたり良くない扱われ方をした人がほとんどなんだよな 全員そういう意味では搾取構造の被害者ではあるけど、エレナは八木に無茶な要求をしていたし、八木も委託ドライバーに低賃金しか渡せないから加害性がないわけではない でもそれはデイリーファストがそもそもそういう契約していたところが大きいからやっぱり公正な対価を渡すことがそもそも必要という話ではあるかも
最後の爆弾をかつての自分の製品の中に入れて爆発を守ったところすごい良かった。安全性を重視してコストを抑えられなかった結果倒産したけど結果命を救ったHINOMOTO(だった気がする)と安全や人件費を軽視して事件を引き起こすことになったデイリーファストとの対比だな~と思った
五十嵐の「脅しているのか」に対するエレナの「脅しは強いものが弱いものにやることです。今は交渉です」って言ってたの良かった